夕陽のように

Smile of the Sun - 太陽のほほえみイメージ

 K夫人が遂に家庭裁判所へ相談に行ったのは、結婚後4年目のことである。

 「私の結婚生活は、失敗に終わりそうです。私は良い妻になろうとし、夫の仕事をよく理解し、彼の成功のためにできることは何でもしました。それでもあの人は私に感謝していないようです。」と彼女は家事事件の担当者に話した。

 「あなたはご主人を尊敬なさっていますか。」と係員が聞いた。「もちろんですわ」とK夫人は答え、「ただ私は・・・」と言いかけると、係員は「夕陽を見るようにご主人をご覧になるかと聞いているのです。」と言った。

 K夫人はこの言葉に当惑した。そこで係員は説明した。「誰でも夕陽を感心して見ます。理由の一つは、私たちの力が全く及ばないことだからです。それを変えようとは思いません。繰り広げられるままの美しさを敬うような気持ちで見ます。残念ながら私たちは、人間に対してこういう態度をとることは稀です。愛する人の持つ美しさを見るよりも、その人を思うままに動かしたり変えたりしようとしがちなのです。」

 続けて、「残念ですが、あなたはご主人を愛していないようです。ご主人はこうあるべきだという、あなたの心の中に作ったイメージを愛しているのです。彼はそのイメージ通りにならず、あなたは不満を感じている。その不満が、彼にあなたの存在を不愉快に思わせるのです。」と語った。

 K夫人がそこを出た時、ちょうど夕陽が沈むところで、空はオレンジ色に輝いていた。彼女は結婚生活に新たな考えを持つことができたのであった。