星の予言

Smile of the Sun - 太陽のほほえみイメージ

 作家としての自分の才能に絶望を感じたTさんは、星占い師を訪ねて行った。彼は自分の生年月日と時間を言うと、占い師が星の動きに関する本を調べるのを待った。占い師は、「彼がよい仕事を世話してくれる友達に会うだろう」という結論をくだした。

 その後しばらくして昔の友だちに会った。大きい雑誌の副編集長をしていたその友だちは、仕事を辞めるつもりだと彼に話した。「これが占い師の言った友だちとその仕事に違いない」とTさんは思った。「だれが君のあとをやるんだい」と聞いた。友だちは、「まだ決まっていないんだ」と答えた。「応募しようかな」と Tさんが言うと、「君は若すぎるから雇ってくれないだろう」と友だちは言った。

 しかし、Tさんには自信があった。就職できると確信していた。星が予言したからである。雑誌の責任者と面接したものの断られたが、彼はその断りを受けつけなかった。彼があまりにも決然とした態度で自信に溢れていたので、会社では、年齢制限の規則を緩め、彼を雇うことにした。

 Tさんは当然のように、意気揚々と出版社を出た。その時、突然、生まれた年を間違って占い師に教えたことに気がついた。占い師が読んだ星の予言は、彼に当てはまるものではなかったことになる。

 Tさんは、今、よい仕事につき、うまくいっている。しかし、仕事も、やがて得るであろう成功も星のお陰ではない。自分の力ときっと成功するという信念の賜物である。成功できると確信する人は、時にはうまくゆかないことがあっても、最後には成功を得るに違いないのである。