
成功したいという望みは、生れつきだれもが持っている。しかし、成功とは何をさすのかといえば、それは人によって違う。
ある人は財産を残すことが成功だと思っている。ある人は学間や科学の進歩に寄与することに専念する。ある人にとって成功とは、政治家として権力ある地位につくことかもしれないし、芸術的にすぐれた作品を残すことかもしれない。その一方、多くの人は正しい生活を送り、良い家庭を築くことが成功だと思っている。そしてこういう人たちが一番多いのではないだろうか。
人生のたそがれが近づき、この世に別れを告げる準備をするころになると、人は自分の生涯をふり返って自分に問いかけることだろう。「わたしは成功したのだろうか?」
そんなとき、貯めたお金の額、修めた知識、得た名声、育てた子供たちなど、多くのことが心に浮かぶであろう。
しかし、あれこれ考えてみると、結局、人生での成功・失敗は、その人がどんな人間になったかということで決められるのではないだろうか。その人が始めた仕事、他の人々に及ばした影響、子供たちの心に植えつけた理想、芸術、科学、または社会の進歩のためになした貢献など、すべて非常に大切である。しかし、そのどれをとっても、人間としての成功を決定づけるものではない、それはむしろ、各個人が養い伸ばした人格によって決められる。
正直で誠実で、世の人々に対する利己的でない愛の徳などを養っただろうか?これは大切な質問である。もしこの質間に「ハイ」と答えられる人は、たとえ途中で間違ったことがあったとしても、人生で成功を収めたのである。