心の容量に合わせて

Smile of the Sun - 太陽のほほえみイメージ

 ヨーロッパの小さな町のある肉屋さんは、いろんな種類の肉を煮てから売っていた。肉を煮た後、その肉汁を残しておいて、近所の貧しい人たちにあげるのである。二人の中学生、ジョンとロバートは、この肉汁をもらうために、口の広い瓶を持って、いつもやって来た。家ではお母さんがこれに野菜を加えて、美味しい栄養のあるスープを作るのである。

 ある日、ジョンは、ロバートがいつもより大きい瓶を持って来たのに気がついた。肉屋の主人は、二つの瓶の口までいっぱい入れたが、ジョンは不満だった。ロバートが店を出てから主人に不平を言った。「どうしてロバートにぼくよりたくさんの汁をあげたの」肉屋の主人は、答える代わりに尋ねた。「なぜ、君はもっと大きい瓶を持って来なかったんだね」と。

 人は皆同じ世界に住んでいるが、ある人は、人生において他の人より多くの喜びを得る。すなわち、それらの人たちはおおらかな心の持ち主である。このような人たちは、見るもの、聞くものすべてを意味深く受け取る。また、不平、不満など言わず、いつも自分のまわりにある良いものに目を向けている。

 肉屋の主人は、肉汁をみんなに分けるのを決して惜しまなかった。ただ、彼はジョンの瓶には、はいるだけしか入れられなかったのである。同様に、神様は私たちに恵みをお与えになる時、決して惜しんだりはなさらない。その人の心が受け入れられるだけの幸せをそれぞれお与えになる。心を広くするのは一人ひとりが自分の責任においてなすべきことなのである。