学校へは2年行っただけで、これが彼の受けた教育の総てである。
しかし彼は大きい望みを持っていた。勉強をやめず、手に入れられる限りの本を読んだ。自然科学などをマスターし、また、英語のほかにフランス語など四力国語が話せるように勉強した。おそらく彼は、その時代で最高の知識人になったであろう。と同時に、常識的ではあるが人に励ましを与えるような生活態度も身につけた。
ベンジャミン・フランクリンは、独立宣言の署名者として、そして外交官としても有名になった。しかし彼は、次の世代へ残した生活の基本方針によって、最も慕われたのである。
ベンジャミン・フランクリンは、人間性というものをよく見きわめ、幸せで実り豊かな人生を送るについての忠告を残した。その忠告は、人間としてなすべき次のようなものである。
父親に尊敬を示すこと。母親にはあなたを誇りに思わせるような行ないをすること。子供によい手本を示すこと。友たちの言葉に耳をかすこと。自分自身を尊重すること。敵にゆるしを与えること。すべての人に対して思いやりを持つこと。