愛とは何だろう

Smile of the Sun - 太陽のほほえみイメージ

 愛とは何だろう?だれか好きな人がいるときに感じる喜びの気持ち、というだけであろうか?それとももっと深いものだろうか?

 「愛する」という言葉は「好き」という言葉と同じように考えられがちだが、実際には、この二つの言葉は全く異なった心の状態をさすものである。

 だれかを好きだということは、ちょうど好きな音楽が楽しみを与えてくれるように、その人が自分を喜ばせてくれるという意味が含まれている。しかし、愛するということは精神的な結びつきを意味し、その人のために何かをしたいと言い、その人のしあわせを願うことなのである。すなわち「好き」という場合には、いつも多少の利己的な気持ちがあるのにたいして「愛」は根本的には犠牲に裏づけられていると言える。

 利己的な人は、自分を喜ばせてくれる人は好きになるが、他人を喜ばすために自分のことを犠牲にしようとはしない。その反対に、たとえ好きでない人でも、困っていれば、自分のことは二の次にして助けようとする人がある。こういう人こそ、ほんとうに愛することのできる人である。

 私たち人間はそれぞれ違った性格を持ち、また欠点もあるから、だれでも好きになるということはできない。しかし、お互いに愛し合うことはできるはずである。そのために必要なのは、お互いのしあわせを願い、そのために力を尽くすことであり、これこそが人間としてしなければならないことなのである。好きでない人があったとしても、愛せない人などこの世にはないのである。