思いやりの心

Smile of the Sun - 太陽のほほえみイメージ

 賛辞は人を喜ばせるだけでなく、人に新たな自信をも持たせる。しかし、無理に言われたり、わざと大げさに言われたりすると、賛辞もお世辞になってしまう。まず賛辞は、心を込めて言われるのは当然だが、こちらの誠意がはっきりわかるような方法で述べられることが大切である。

 その良い方法は間接的に褒めることである。例えば、第3者が褒めた言葉を、その本人に向かって言えば、自然に自分も同じ意見であることを表し、その言葉は2倍の力を持ち本人に良い印象を与える。次に彼が以前に言った良い言葉を思い出す。それは記憶に値する言葉として尊重してくれたことを知り、本人を喜ばせる。また、それとなく忠告を求めることも、その人の判断を尊重していることになり、素晴らしい賛辞となる。心からの賛辞ほど人を喜ばせるものはない。

 また、郊外の道を歩いていて、ある家の横の立て札に、「ゴミはここに捨ててください」と書いてあるのが目に止まった。「ここにゴミは捨てないでください」という立て札はよく見るが、「ゴミはここに捨ててください」という立て札は見たことがない。この立て札に限らず、私たちの口からは禁止の言葉は出やすい。しかし、ちょっとした思いやりがあれば「何々しないように」という言葉を用いるだけでなく、その解決方法をも示せばもっと良い。

 例えば、駐車禁止の立て札も、近くの駐車場までの簡単な案内図を書き加えれば、相手に良い感じを与えるだけではなく、駐車違反をなくし、社会を明るくすることにもなる。

 言葉は人間を結ぶ糸である。ちょっとした思いやりの心を持ち続ければ、複雑で忙しい現代においても、互いの人間関係をよくし、明るい住み良い社会を作っていくことができるのではないだろうか。