ヴァイオリンの美徳

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 立派な人の生涯には、さまざまな美徳が見られる。しかし特に大切なのは4つで、それらは、他のすべての美徳の基礎になる。賢明、正義、節制、剛毅、つまり心の強さなどである。

 この4つの美徳は、ヴァイオリンの4本の糸に似ている。4本の糸によって、あらゆる音階の音が奏でられるように、人間生活に見られるあらゆる美点も、4つの基本的な美徳から流れ出てくる。

 まず最初の賢明は、知的な徳である。私たちはこれによって正しい目的を選び、それを達成する正しい手段を選ぶことができる。

 正義は、行動のための美徳でぁる。それは賢明の徳が命じるままに私たちを行動させる。

 節制というのは、抑制の徳でぁる。これはどんな場合にも行き過ぎた行動をさけさせる食べすぎ、飲みすぎ、眠りすぎ、働きすぎ、また、興奮しすぎるとか腹を立てるなどということをさせないのである。この節制の徳があってこそ、私たちの生活に健康なバランスを保つことができる。

 最後の剛毅は、道徳的な強さの徳であり、生活の上に特別な障害が起こつた時に役に立つ。誘惑にあっても、剛毅、つまり心の強さが助けてくれる。良い生活を送ろうとする道に立ちふさがる悪の力に打ち勝てるように、私たちを強くしてくれるのである。

 ヴァイオリンは、無限と言えるほどさまざまなメロディを奏でることができる。しかし、どうしても4本の糸が必要である。これと同じように、先にのべた4つの美徳は、良い生活を送るために絶対に欠かすことができない。4つのうちの一つでも欠ければ、その人は、糸の切れたヴァイオリンのようになるのである。