献身と協力

Smile of the Sun - 太陽のほほえみイメージ

 人間を乗せた衛星が初めて軌道に乗せられることになった時、これを計画した人々は、宇宙飛行士が一人で乗り込むことによって感じるであろう心理的影響を心配した。彼らは大気の中に一人で漂っている自分を考えた時、憂鬱な気持ちになるのではないかと恐れたのである。ところが実際に行われてみると、この心配は無用だった。地球の周りを飛んでいる間、飛行士は与えられた使命を全うするのに懸命で寂しがる暇などなかったのである。

 しかし、人工衛星が二、三人の人間を乗せて、もっと長い時間飛ぶようになると、新たな心配が出てきた。幾日もの間、窮屈な場所にいて、お互いが衝突もせずに暮らせるかというのである。だが幸いなことに、これも取り越し苦労に過ぎなかった。

 ジェミニ五号やアポロ十二号の八日間に渡る飛行は、単に時間が長いだけでなく、途中で起こった技術的な問題の点からも特に難しいものであった。しかし、その間、地上の科学者と衛星の間に交わされた会話が証明したように、飛行士たちは決してユーモアを忘れなかった。そして彼らは満面に笑みを浮かべ、元気いっぱいで地球へ帰ってきたのである。

 彼らは、使命を果たそうと、共に働くことによって精神的に結ばれ、次に、広い宇宙を自分たちだけで飛んでいると互いの助け合いが必要なことを身にしみて感じたからである。

 自分に与えられた仕事に献身するという共通の精神と、相手の助けを頼りにする気持ちとが軌道を飛ぶ飛行士を結びつける。これは他の仕事に携わっている人の場合でも同じあろう。この二つは、何をするにしても気持ちよく働き、成功するために欠かせない条件なのである。