幸せな報い

Smile of the Sun - 太陽のほほえみイメージ

 人は何か良いことをすれば、必ず報われるものである。時には何年もかかり、ある場合には、非常な苦しみに耐えなければならないが、良いことのためにする忍耐には、必ず幸福な報いがあるに違いない。K夫人は、その良い例だと言える。

 彼女が嫁いだ先には、1歳から7歳までの4人の子供がいた。母親の死後何ヶ月かは、父親が自分の姉や妹の助けを受けて子供の面倒を見ていたが、再婚し、彼女が家族の一員になったのである。

 子供たちは最初から反抗的であった。彼女が、彼らの父親と結婚したのは、死んだ母親を侮辱するものだと思い、また、父親の愛情がこの新しい女性に向けられることに反対した。

 K夫人は、子供たちから嫌われていることを思い、枕を濡らす夜がたびたびあったが、彼女は諦めす、また、子供の気持ちには逆らわず、できることは何でもした。景気が悪くなって生活が苦しくなった時、パートタイムの仕事をして夫の給料を補った。

 子供たちもだんだん理解するようになり、父親の第二の奥さんに親しみを見せるようになってきた。それでもまだ、母親だとは認めない様子なので、彼女の胸は痛んだ。

 そんなある日、衣類の繕いをしているK夫人の目に涙が溢れていた。幸せの涙である。彼女は、子供たちに嫌われているとは二度と思わないだろう。子供たちは窓の外に座っていたのだが、一人がこういうのが聞こえたのである。「僕たちは本当に運がいいね。お母さんが二人もあるんだもん。産んでくれた人と育ててくれる人とね」他の子供たちも声を揃えて賛成した。