互いに助け合って

Smile of the Sun - 太陽のほほえみイメージ

 地獄と天国を旅して帰り、そのことを家族に話した人があります。その人はまず地獄で最初に見たことについて語りました。地獄では非常に細長い部屋に細長いテーブルが置かれてありました。そのテーブルには美味しそうなごちそうがたくさん並べられていましたが、テーブルの両脇に座っている人々は皆やせて悲しそうな顔をしていました。彼等は1メートルもある細長いはしを持たされていて、箸で食べ物を自分の口へ持っていこうとしていたので、少しも口には入らなかったからです。箸が長すぎたのです。

 その人は次に天国へ行った時の話をしました。驚いたことに、天国でも地獄と同じような細長い部屋に細長いテーブルがあり、ごちそうもたくさん並べられていました。しかし、テーブルの両脇に座っている人々は地獄で見た人々とは違っていて皆、幸福で健康そうでした。

 地獄にいた人と同じように、天国の人々も1メートルの長い箸を持たされていました。ただ違うのは、天国の人々は、その箸で自分の口の中に食べ物を入れるのではなく、テーブルの向かい側にいる人の口に食べ物を入れてあげていたのでした。こうしてお互いに助け合っていて、天国の人たちはたくさん食べ、お互い同士楽しみ合っているのでした。

 この物語は子供っぽいかもしれません。しかしこの話は、幸福について非常に大切なことを言っていると思います。まことの幸福はお互いに関心を持ち、お互いに助け合うことによってのみ得られるものなのです。