「心の糧」は、以前ラジオで放送した内容を、朗読を聞きながら文章でお読み頂けるコーナーです。

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坪井木の実さんの朗読で今日のお話が(約5分間)お聞きになれます。

共存共栄

松浦 信行 神父

今日の心の糧イメージ

 私は今、赴任した教会、「サクラファミリア」のコンセプト作りにいそしんでいます。この「サクラファミリア」という教会は、普通の教会とは違って、この中に大阪梅田教会という教会を抱え、そして、上智大学のサテライトキャンパス、またパウロ書院もあります。

 こうした新しい形の教会の、新しさを示すために、どのようにサクラファミリアがあるべきかといったコンセプトが必要になったのです。

 私には、この、"コンセプト作り"ということに関して、大切な思い出があります。40年近く前に福岡の「黙想の家」を作るときに、この作業をしたからです。

 その時は、黙想の家は部屋数が多い方がよい、否、小さくて結構。土地の高低差をなくした方が便利、否、土地の形状を活かしたい。自分たちの生活を保つ、否、黙想者に便利を提供する方がよい。など、正反対の意見が出ました。

 そんなとき、建設コンサルタントの人が来て、出てきた意見を整理し始めました。新しい建物を作るのだから「どんな建物が望ましいか」という一番根底となる土台作りをしたのです。

 そしていろいろな意見の集約として、「私たちが作る黙想の家は、私たちの生活の中に黙想者を招く形が理想だ」ということになりました。

 「このみんなの意見の集約をコンセプト、つまり基本的な方向性として、そこから今一度、それぞれの人の意見を見つめ直してみましょう」と、コンサルタントの人は皆を誘いました。

 すると、正反対の意見であっても、中心的なコンセプトからは、どちらもあり得ると、土台でみんなが一致したのです。

 土台が一致しているとわかり、私たちの話し合いは、意見の違いを乗り越えるダイナミックなものとなっていったのでした。