今日の心の糧

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坪井木の実
 

ナレーターの坪井木の実さん

このページに心のともしびラジオ番組の話がでます。
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愛でる

橋本 勲 神父

今日の心の糧イメージ 過去の出来事が次々とよみがえってくることを、「走馬燈」の如くと表現します。勢いよく走る馬上から見る灯りの点滅のように、一つひとつの思い出が連なって迫って来る様はとても味わい深いことでしょう。

ところで、現代社会は馬ではなく、車に変わりました。車を運転しながら、「走車燈」のごとくという余裕があるかどうか。

これが新幹線の弾丸列車、さらに飛行機となれば、せいぜい出発点と到着点がつながる程度ということになりましょうか。

油断するとスピードがつき過ぎて途中が省かれてしまう危険が現代社会には潜んでいるようです。

音もなく、土煙をたてることもなく疾走する高級車を操りながら路傍に咲く可憐な花をめでるというわけにはいきません。

5月、大自然はいのちに満ち満ちています。この月、カトリック教会は母なるマリアさまを特別に称えます。それは大自然の満ち満ちるいのちをめでると同時に、その大自然が宿すいのちの根源に想いを潜めてみたいからです。

生きとし生けるものを生み出し、これを育む大地を自らの2本の足で踏みしめ、足の裏のセンサーが何を捉えるのか。

現代社会の大地はコンクリートで覆われて、いのちの芽生えに接する機会を失わせてしまう危険があります。

それでもコンクリートの割れ目からしたたかに雑草が生え出るのを見ると、その生命力に驚かされてしまいます。

母なる大地、神のいのちを宿す母マリア、この2人の母を合わせて愛でる月、これが5月なのです。

なぜなら母マリアは、わが子を十字架から引き取り、大地の墓に納めた方だからです。その墓こそ復活の現場、いのちの根源が宿る場だからです。