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雪の夜

12月の終わり、私はサッポロにいた。何十年ぶりかの暖冬で、サッポロも雪ひとつなく、私はがっかりしながら、ホテルで仕事をしていた。  サッポロに来たのは東京での...

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イロリばた

仏蘭西語で家庭を、フォワイエといいます。かまどと言う意味だそうですが、私は好きです。  日本語では家庭はイロリとはいいません。しかし、昔、日本の農家では家族が...

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鏡の顔

以前散髪屋での話を書きました。ついでに散髪屋での話をもう一つさせてください。  鏡があるでしょう、チョキチョキ、君の髪がきられていく。君は自分の顔がカッコ良く...

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すみませんが

夏の私の家に、一週間、一度ほど来てくれるマッサージの女性がいます。実家はこの街でも有名なおそば屋さんで、彼女は別にマッサージなどしなくても生活に不自由はないの...

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大木

私の家は東京の郊外、新宿から1時間ほど電車でゆられた所にあります。3年前、引越してきた頃は周りにみどりの林や丘が沢山あり、朝、目をさますと、色々な小鳥の囀りが...

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見舞い

友人が胸を悪くして入院したので早速、見舞いに行きました。私自身も病気で長い間入院生活をしたので、彼の気持ちは多少、わかっているつもりでした。  病気の見舞いと...

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聞き上手なアナウンサー

私は、会社勤めではないので、自分で処理できる時間がたっぷりある為に、テレビを他の人よりもたくさん見る人間だと思います。  大体、朝の食事をしながら各局のモーニ...

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春の花

華道というものを私は知らない。華道についての本を読んだこともない。  しかしある夜、おそくまで仕事をしていた時、しいんと静まり返ったなかで、かすかだが何かが崩...

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墓地での回想

彼岸になると花をもって、私は母の墓をたずねます。墓に水をかけ、花をそなえ、手を合わせーーそうした訪問をやりはじめてからもういく年になるでしょう。  墓參りがす...

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踏絵の話

(今日のお話は遠藤周作さんがご存命中に寄稿されたお話です)    踏絵というのは、言うまでもなく切支丹の迫害時代に、信徒たちを調べるため、役人がつくった物です。...

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