生前ハヤット神父が書いたお話「太陽のほほえみ」(英語と日本語)を、
2015年5月掲載分から2021年3月掲載分まで保存しています。どうぞご覧ください。

ハヤット神父
ハヤット神父

 

愛はいつまでも

Smile of the Sun - 太陽のほほえみイメージ

 花子は恋に落ち、相手の青年の結婚申し込みを喜んで受けると返事をした。彼女は、自分に対する青年の愛情に何の疑いも持たなかった。しかし、結婚の日が近づくにつれて、母親は、娘が何か悩んでいることに気づいた。

 ある日、親子揃って海岸へ行った時、花子は母親に悩みを打ち明けた。「私たちの愛情は長続きするかしら。私の結婚生活がママやパパのようにうまくいくという確信が持てるといいんだけど・・・。年をとった今でも、パパに愛情をなくさせない秘訣があるの。」

 母親はしばらく考えてから、両手に砂をすくって載せた。「手を見てごらん」と言って、砂をのせたまま左手を握りしめた。砂は指の間からこぼれ落ちる。手を強く握るほど砂はたくさんこぼれる。右手は開いたままなので、砂の量に変化はない。

 母親は言った。「愛情についての秘訣を全部は知らないけれど、愛情は無理強いするべきものじゃないことはわかるわ。愛はゆったりとした信頼感の中でのみ育つものなのよ。」

 「私はパパの愛情をつなぎとめるために特別なことをしたことは一度もないわ。それに私は、パパを無理に自分が望むタイプの夫にしようとしたことはないわ。パパをそのまま受け入れたし、パパも私にそうしてくれたのよ。この深い理解とお互いの信頼とが、何にも増して、私たちの結婚生活がうまくいったもとだと私は思うの。」

 「相手を無理に自分の思う通りにしようとすれば、握りしめられた砂のように愛情は失われ、結婚生活はダメになったかもしれないわ。」

 花子の表情は前よりやわらいだ。