生前ハヤット神父が書いたお話「太陽のほほえみ」(英語と日本語)を、
2015年5月掲載分から2021年3月掲載分まで保存しています。どうぞご覧ください。
重役たちが相談の結果、広告のやり方に何か間違いがあったのだろうということになり、広告代理店を変えた。そして、新しい代理店の担当者を囲んで、部課長会議が開かれた。
会議では、客を引き寄せるための様々なアイディアが出された。しかし、成功疑いなしというようなものはなく、会議が終わった時にも、計画は何も決まっていなかった。
ところが、会議のあとで、担当者は、ある課長が口にした言葉を思い出した。課長はその会社の長所だと思う点をこう言った。「ウイ トライ ハーダー」つまり「いつももっと努力しようとしている」というのである。客に喜んでもらうために、他の会社よりずっと努力をしているという意味だった。
これは、ごく平凡な言葉のように聞こえる。しかし、ある意味で、会議で出されたどの言葉よりも担当者の頭に残った。彼はこの言葉をもとにして広告プランを立て、会社はそれを採用した。翌年、アビス商会には、赤字の代わりに約13億円の収益があった。成功したのである。会社の方針を示す簡単な言葉が、この違いを作ったのであった。その言葉は、「ウイ トライ ハーダー」である。
以前の広告方法では、この会社で車を借りる人みんなに香水を渡していた。客はこのサービス品をあまり喜ばなかった。しかし、仕事をうまくやるために「トライ ハーダー」「もっと努力する」と約束した会社に客は引き付けられたのおである。