まず始めよ

Smile of the Sun - 太陽のほほえみイメージ

 オサムは字が読めなかった。しかし、台所の壁にかけてある小さい額に書いてあることが知りたかった。「まず始めよ。あとは楽にできる」と書いてあるとお父さんが読んでくれた。

 「どういう意味なの?」と少年は尋ねた。「これはね、例えば、お前がゲームをしたいのにやり方を知らない時でも、ともかく始めなさいということだよ。そうすれば、知らなくても他の人と同じように遊べるようになる。むずかしいのは始めることだからね」とお父さんは説明した。

 オサムはこの言葉に感銘を受け、それ以来、オサムはゲームをするときだけでなく、人生のあらゆる場合にこの言葉を指針とした。私が会った時には、彼はもう有名な作家であったが、作家として成功するために、この額の言葉が非常助けになったとかたっていた。

 彼は高校生の時、初めて作家になろうと考えた。しかし、最初それは、ただ夢にすぎなかった。オサムには、何か書いてみようという勇気がなかったのである。その時、額の言葉を思い出した。
「まず始めよ。あとは楽にできる」

 彼は始めた。何篇かの小説を書くと、2、3の雑誌社へ送った。しかし、全部ボツになりオサムは落胆した。もし、父の言葉がなければ、彼はその時、書く意志を捨ててしまったかもしれない。父は言った。「モット-は、時々少し変えるべきだよ。"もう一度始めよ。あとは楽にできる"と変えたらどうだい」

 オサムは、どんなにひどい失敗の後でもまた始め、ついに成功し、有名な作家になったのである。