子供を育てる時、二人はあらゆる点で力を合わせた。彼は権威を持ち、彼女は優しさと思いやりを示してきた。子供たちは両親を愛し、愛はみんなの絆を深め、とても仲の良い家族にした。
子供たちが成長して家を離れると、夫婦は取り残された。しかし、かれらは決して寂しくはなく、二人は相変わらず喜びも悲しみも分かち合っていた。この世での余生が残り少なくなってきたことを知ってはいたが、それでもなお、未来に対する計画を立てて楽しんでいた。
彼が死んだ時、彼女は途方にくれた。長い間一緒にいたからである。そして、一年もたたないうちに、彼女も死を迎えた。その唇には微笑みがあった。彼女は永遠に彼と共にあるために旅立ったのである。二人は結婚の本当の意味を知り、そして、愛の絆によって一心同体となっていた。彼らは神のもとで永遠の命の喜びにあずかっているにちがいない。