忍耐して待つ

Smile of the Sun - 太陽のほほえみイメージ

 忍耐力を持ち、それを実行しなければ、幸福で充実した人生を送ることは、むずかしい。人生には、待たなければならないいろいろな事柄がある。

 人は、時には、手を伸ばして時計の針を2、3時間進めたいと思う。これは簡単にできる。しかし、実際に時間が過ぎたのではない。時計を狂わせたにすぎないのである。

 われわれは、時間をせきたてることはできない。自然の移り変わりも、同じように待たねばならない。

 バラは、自分の都合のよい時に咲く。美しいバラの花を見るためには、咲く時期を待たねばならないのである。

 旅行をする時、汽車の発車時間まで待つのは当然である。海などで泳ぐためには、夏が来るのを待たねばならない。

 このように人生のよいことには、待つことがつまきとう。忍耐力がなければ、待つということが非常な苦痛や不満の原因になりうる。

 2人の男の乗った船が、ある時、浅瀬に乗り上げた。彼らは船が動くようにあらゆることをやってみたが、何の役にも立たなかった。一人の男は、ひどくいらいらしてきた。しかし、彼の友人は、のんびりと座っていたのである。

 「動けないのに、気にならないのかい?」と最初の男は聞いた。

 「必要なのは、満ち潮を待つことだけだ。何かをして役に立つのはそれからだ」と友人は答えた。