肉体的な苦痛は、現在にだけ感じられる。しかし精神的な悩みの大部分は、過去の過ちや、ありそうな未来の災難についての心配が原因になる。しかし、こんなことを思いわずらうのは意味がない。
過去は過去である。どんなに考えても、それは変えられない。過去の過ちは、未来への良い警告となるだろう。
未来に関する限り、何が起こるか知る方法は全くない。あらゆる種類の災難を想像するのはたやすく、ひょっとすると起こるかもしれない多くの不幸なできごとを心配するのは、人間共通の心理である。しかし実際には、心配したことの大部分は決して起こらない。
人生の旅を楽しむためには、こんな荷物は捨てた方がよい。過去や未来への心配をやめた時、初めて、現在送っている生活を十分に生かすことができるのである。