
「母親としての私の務めの中で、いちばんむずかしいのは、子どもが自分のした間違いから何かを学ぶのを、黙って見守ることです」
これは、子どもに自発的に物事をする力を持たせることの大切さを知る母親の言葉である。彼女と主人は子どものためにルールを作り、子どもたちにそれを守らせる。そして、自発的に物事をする力を養えるよう自由にさせる一方、人格と責任感を高めるために規律を守らせるのである。
以前は、親が規律を重んじすぎる時代があったが、心理学者によると、行き過ぎた規律は子どもをロポットのようにし、命令に従うだけで自分では考えられなくするというのである。
ある家庭ではどちらかというと、自由に重きを置きすぎて規律はほぼ完全に無視されている。
しかしながら、規律なしに育てられた子どもは、非常に自発的で豊かな表現力を持つようになるかもしれないが、自分本位で不真面目になりがちである。大きくなった時、立派に物事をなしとげるにはルールを守らなければならない大人の生活にうまくとけこめない。
理想的なのは、もちろん、極端な厳格さと、極端な放任主義の真ん中の道である。この道は見つけにくいが、子どもを健全な人間に育てたいと願う親はそれを見つけようと努力するに違いない。それはほどよい規律という道である。そして、子どもには、子ども自身の行動と間違いから何かを学ばせ、物事を判断してゆける自由を与えるのである。