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生き抜く

10歳ちがいの長兄は今年米寿である。  若い頃、何回か大病を患い、大手術もして入退院を繰り返したので、長生きするのは無理だろうなあと家族も周囲の人も思っていた...

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光と影

子どもの頃、五島の教会学校「けいこ部屋」で、人間ひとりひとりに、守護の天使と保護の聖人が影のようによりそって、守ってくれていると教えていただいた。  イエス様...

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自然への感謝

子どもの頃、我家には水道がなく、裏庭の井戸水を使っていた。  天然の湧き水で、夏は冷たく、冬は温かだった。  父母は「人の恩はいつかは返せるかしらんばってん、...

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人との絆

五島で暮らしていた子供の頃の子守唄は、我が家に泊まっていたおじさん、おばさんの、歌うような陽気な声であった。  我家で御飯を食べ、飲み、歌にし、やがて眠りにつ...

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大切なこと

今年の出発は能登地方での大地震から始まった。  前途多難な予感がして、すぐに手を合わせて祈った。  私の高校1年の秋に五島の福江大火が発生し、我家は全焼した。...

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旅立ち

60年ほど前に、私が五島を旅立つ時、多くの人におせん別やはなむけの言葉をいただいた。  松下佐吉神父様には「その場になくてはならない人になれよ」。  梅木ツル...

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安らぎ

「人間はさ、どげんな人間でん、眠っとるときには悪かことばせんとよ。じゃけん、どん人も眠っとる時の顔は安らかたいね」と父母は言っていた。  五島の我が家は千客万...

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扉を開ける

私の五島の生家は年中鍵をかけなかった。  福江島の中心地にあり、人通りの多い繁華街の一角にあったにもかかわらず・・・。  父母は「いつなんどき、うちん家ば頼っ...

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捧げる

50年余り前、父が召された時、母は悲しい中でも一抹の光を見つけたような表情で言った。  「父ちゃんがさ、終油の秘蹟ば授けてもらった時に、松下神父さまが『よく捧...

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導かれて

幼少の頃から聖家族の話は父母から、神父さまから、教え方さまから聞かされて成長した。  2千年前の人たちのことなのに、五島の大人たちの「語り」はとても現実的で、...

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