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心おだやかに

今井 美沙子

今日の心の糧イメージ

 8歳の時に、一、円、点という言葉とその意味を教えてもらった。当時の福江教会の松下神父さまからである。一は、神様と人間との境の線、円は地球、点は人間と教えてもらった。その前に、人間の心は地球を包めるくらい大きいとも教えてもらっていた。

 「心はね、線の上に置かんばよ。線の上は神様の世界じゃけん、()か心になれるとよ。線の上には悪魔は入られんとよ。線の上は、雨も降らんし、風も吹かんし、嵐も来んとよ。悪魔の誘惑ものうて、静かな心で神様と善き語らいができるけんね」

 神父さまはにこにこしながら、8歳の私にわかるようにかみくだいて教えてくれた。

 私は現在79歳になったが、70年以上も前のその日の情景を、昨日のことのように思い出すことができる。

 今回、テーマに『心おだやかに』をいただいたが、すぐに、松下神父さまの教えを思い出した。
 「私だけではもったいない、「心のともしび」を聞いてくださっている方々にこの言葉を届けたい」と思ったのである。

 私は毎日のようにこの言葉に助けられて生きてきた。

 朝、晩、神さまと語らい、善い心になっていたはずなのに、何かのはずみで私の心はすぐに線の下に落ちてしまう。

 その度に反省しては心を線の上に上げる努力をする。その繰り返しである。この歳になると、他人の顔を見るだけで、「あっ、この人の心は常におだやかで、線の上にあるのだ」とわかることがある。

 私も、この人のようになりたいと願う。
 そのためには、心して神様との語らいの時間を持たなければと思っている。