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シスター 萩原 久美子

今日の心の糧イメージ

 私はどちらかというと、海よりも山の方が好きで、ある年の夏休みには毎日のように山登りに出かけた思い出があります。

 時には2~3時間かけて山登りをすることもあり、山登りに誘われると「行ってみたい」と元気に応えるものの、出発前になると〝頂上まで歩けずみんなに迷惑をかけたらどうしよう〟と不安になることもしばしばでした。でもとにかく歩きはじめますが、途中で〝もう無理だ、もう足が上がらない〟という思いに負けそうになることもありました。
 それでもひたすら黙々と歩き続け、頂上に到着したとき、やっとそれまで自分で「歩んできた道」を振り返ることができ、何とも言えない感動を覚えていたものでした。

 新しいことを始める時や、今の状況を変えるためにこれまでと違うやり方を試みようとする時、迷ったり不安を感じたりしてしまいます。

 この選択は正しいのだろうか。本当にうまくいくのか。失敗したらどうしよう、失敗したら恥ずかしい。そして、怖くなってしまい、最初の一歩を踏み出すことに躊躇(ちゅうちょ)してしまいます。

 でも、最初の一歩を踏み出すことで「道」ができてきます。その最初の一歩を踏み出し、道を作っていくのは自分でしかありません。そして二歩、三歩と歩みを進めることで「歩んできた道」になっていきます。

 そうして歩んできた道の中で選択してきたことが正しかったのか、成功だったのか、失敗だったのか。それは、目的地に辿り着いてみないと分からないものです。

 山登りをして頂上から歩いてきた道のりを振りかえったときに、初めて見える道もあります。でも自分で歩んできた道は、自分にしか作れない世界でたった一つの道です。

 恐れずに自分の道を切り開いていきましょう。