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心おだやかに

片柳 弘史 神父

今日の心の糧イメージ

 わたしは、どちらかというとすぐに腹を立てる性格なので、できるだけ悪口を言われたり、厳しく批判されたりしそうな所には近づかないようにしている。しかし、それでも、うっかり悪口が耳に入ったりして心が波立つことがある。そんなとき、わたしが心がけているのは、波立つ感情に任せて行動せず、しばらく() を置くことだ。

 感情が高ぶったときは、まず深呼吸して心を落ち着ける。お腹が膨らむくらい、深く、ゆっくり呼吸するのがいいようだ。
 心が少し落ち着いてきたら、「わたしは、なぜ腹を立てているのだろう。怒りの原因はなんだろう」と自分に問いかける。自分から少し距離を置き、自分を冷静に見つめると言ってもいいだろう。

 そうすると、たとえば、「相手の言っていることは事実だが、思いやりのない言い方なのでプライドが傷ついたのだ」というように、自分の心の動きが分かってくる。自分の心の動きが分かれば、「相手の言ってることが事実なのは認めざるを得ない。認めた上で、相手に何を言えばよいのだろう」などと、次の行動を落ち着いて考えられるようになる。

 わたしはキリスト教徒なので、最後に、「神さま、いまあなたは、わたしを通してこの人に何を言いたいとお望みですか」と祈る。神さまの目線から、自分を見つめ直すのだ。

 何より大切なのは、心が乱れているとき、感情にまかせてすぐ行動しないということだ。激しく反論したり、仕返しをしたりすれば、心はさらに乱れ、取り返しがつかないところまでいく可能性がある。

 自分から少し距離を置き、落ち着いて自分を見つめる視線。
 神さまの目から見て、自分がどう見えているかを想像する視線を忘れずに、穏やかな心で新年を過ごしたい。