15年ほど前、或る同人誌の編集を手伝っていた頃のことである。大きな詩の同人誌で、毎号100人以上が作品を寄せていたが、或る時送られて来た一篇の中に、こんな一節...
15年ほど前、或る同人誌の編集を手伝っていた頃のことである。大きな詩の同人誌で、毎号100人以上が作品を寄せていたが、或る時送られて来た一篇の中に、こんな一節...
子ども時代の夏の思い出は?と聞かれて真っ先に思い浮かぶのは小学校の頃の夏休みの宿題である。中でも、絵日記には色々な思い出が甦る。 私の家庭では、大人と子供の...
幼い子と一緒に遊んであげて仲良くなると、大事にしている宝物を見せてくれることがある。とても嬉しいものである。 ユウ君は、時々我が家に遊びに来てくれる3歳の男...
生きるよろこびについて考える時、どうしてもこの人物を思い出さずにはいられない。宮沢賢治の童話「虔十公園林」の主人公、虔十である。虔十は「縄の帯をしめ」「杜の中...
希望とは暗闇の中の小さな灯である。太陽が照っている昼間にはその灯は見えない。だが暗闇を歩く時、その明りは私たちと共にある。ヘルメットのライトが地下で作業する人...
心の奥に折りたたまれている記憶をそっと広げてみると、そこには、まだ小学生だった時の光景が消えずに残っていて、細部まで生き生きと鮮やかであることに驚く。 私に...
日差しが暖かくなり、明るい時間が長くなると、私たちはコートを脱ぎ、春が来たのだと思う。ぽかぽかとした陽気に開放的な気分になって、人と親しみやすくなる。 イソ...
都会に住んでいると、住宅の多さと密集度に驚くことがよくある。そこで生まれる出会いもまた数え切れないほどだろう。 小学生の時に、母親が再婚して新しい父親がやっ...
人間は絶えず前へ、前へと進もうとする生き物であるようだ。ただその進み方はさりげない。偉大な業績を残す人もいないわけではないが、ほとんどの人は、大げさに進歩だの...
「親切は本気でしなければいけない。僅かだけ与える好意は、かえって相手を不快にする」。これは、私の戒めの一つである。誰かに親切にしようとして、失敗した経験が何度...