小児科の待合室で、赤ちゃんを抱いている若いお母さんたちを見かけた。乳児検診の日だったらしい。隣り合って座ったお母さん同士には親しげな会話も生まれていて、幸福が...
小児科の待合室で、赤ちゃんを抱いている若いお母さんたちを見かけた。乳児検診の日だったらしい。隣り合って座ったお母さん同士には親しげな会話も生まれていて、幸福が...
暦の上では待降節、御降誕を待つ季節が始まった。 気がつけば、私たちの日常は、数えきれないほどの「待つ」ことで出来ている。順番を待ち、返事を待ち、毎朝、電車が...
L・Mモンゴメリの「赤毛のアン」シリーズはよく知られているが、その中には、アンが登場しなくても魅力的なものも少なくない。「ロイド老嬢」もその一篇で、孤独だった...
「心を一つにする」のは難しい。自分自身の心も思い通りにならないのに、大勢の人の心を一つに合わせることなど不可能だ、と多くの人は考えているのではないだろうか。私...
留守番をする猫のためのDVDがある。飼い主が出かけた後、画面に流しておくと、室内でひとりぼっちになる猫のストレスがやわらぐらしい。木の枝を走るリスや飛ぶ蝶々、...
或るホテルで出版記念パーティが開かれた時のことである。私は出席できなかったので、代わりに花束をお贈りすることにし、その旨を幹事の方に連絡しておいた。ところが当...
15年ほど前、或る同人誌の編集を手伝っていた頃のことである。大きな詩の同人誌で、毎号100人以上が作品を寄せていたが、或る時送られて来た一篇の中に、こんな一節...
子ども時代の夏の思い出は?と聞かれて真っ先に思い浮かぶのは小学校の頃の夏休みの宿題である。中でも、絵日記には色々な思い出が甦る。 私の家庭では、大人と子供の...
幼い子と一緒に遊んであげて仲良くなると、大事にしている宝物を見せてくれることがある。とても嬉しいものである。 ユウ君は、時々我が家に遊びに来てくれる3歳の男...
生きるよろこびについて考える時、どうしてもこの人物を思い出さずにはいられない。宮沢賢治の童話「虔十公園林」の主人公、虔十である。虔十は「縄の帯をしめ」「杜の中...