5月は聖母月。木々の若葉が目に鮮やかな季節、枝の陰で遅れて咲いた花にも陽が当たる。やっと開いた小さな花を、聖母が清らかな光の指で愛でているようだ。私たち人間も、...
5月は聖母月。木々の若葉が目に鮮やかな季節、枝の陰で遅れて咲いた花にも陽が当たる。やっと開いた小さな花を、聖母が清らかな光の指で愛でているようだ。私たち人間も、...
新しいものには良い香りがある。おろしたてのシャツ、新鮮な野菜や茸。新学期に配られる教科書を開くと、良い香りがして、胸がワクワクしたことを思い出す。こんな気持にな...
私たち人間は、絶えず前に進もうとし、自分自身を発揮していくことを喜びとする生き物であるらしい。前に進まないではいられないくせに、努力をふり絞らないと新しい一歩を...
「他人に悪いことをしてはいけない。なぜなら、された人はそれをゆるさないし、決して忘れないからだ」と、子どもの頃の私は思っていた。おそらく私自身が、つらかったこと...
先祖の霊に祈る人は意外と多いようである。友人の1人は、ご主人が癌を患われた時、亡くなった曾祖父母にまで「あなたの孫なんですから・・病気を治してください」と祈って...
今日も都会には、早朝から深夜まで無数の乗り物が走り、大勢の見知らぬ他人が乗り合わせている。座席が空けば、人はそこに座るが、その時、それまで座っていた誰かの体温が...
「ジュラシックパーク」という映画を覚えていらっしゃるだろうか。6500万年前に絶滅した恐竜のDNAを復活させ、現代に生み出す物語である。コスタリカ沖にある孤島に...
或る政治家の夫人の講演を聞いた事がある。夫人は障害のある子どもたちを支援する大きな団体を主宰していて、大変話術が巧みな方だった。子どもたちの映像を見ながらの講演...
自分自身を正しく評価するのは難しい。心理学の研究によれば、人が自分を評価する時、ほとんどの人が「平均より上」と位置づけるそうだ。どれくらい上なのかは、人によって...
人の一生は、1篇の長い物語なのだと私は思っている。だから「年を重ねる」とは、物語のページが1枚ずつ増えて、重なっていくことではないかと思う。それらの物語は人の数...