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わたしの好きなみ言葉

岡野 絵里子

今日の心の糧イメージ

「コリントの信徒への第2の手紙」12章9節には、次のように記されている。「主は『わたしの恵みはあなたに十分である。力は弱さの中でこそ十分に発揮されるのだ』と言われました。だから、キリストの力が私の内に宿るように、むしろ大いに喜んで自分の弱さを誇りましょう。」

厳しい社会においては、弱い者は常に自分の弱さを思い知らされながら生きているようなもので、私もその中の1人なのだと思う。自分の弱さから正しいことができなかった、失敗してしまった等と後悔し、自分がもっと強かったら、もっと能力が高かったら・・と気持ちが沈むことも多い。そしてそんな時、私はこの言葉に支えられるのである。

「わたしの恵みはあなたに十分である」という言葉からは、「わたしがあなたを弱い者に作ったのだから、あなたはそれでいいのだ。これはわたしの恵みなのだ」という声が聞こえて来る。

そして、「力は弱さの中でこそ十分に発揮されるのだ」という言葉には、「主の力は弱い者のためにある。弱い者ほどわたしを必要だとしているのだから、わたしはその者にこそ十分に力を貸し、助けるのだ」と言われたようで、心が満たされる。

友人が病で一時的に身体が麻痺し、介護を受けたことがあった。その時、私は友人に、世話をされる者の強さと輝きを感じた。たとえ寝たきりで動けなくても、人々の愛に支えられた者は決して弱者ではなく、この世で最高の強者なのだと思わされた。

聖書のこの言葉を読むと、小さな者、弱き者が持つ輝きに気づくようになる。そしてその光がどこから来るのか、分かるような気がしてくる。