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心おだやかに

堀 妙子

今日の心の糧イメージ

 私は、ほとんど主日のミサはブラジルの共同体のミサに(あずか)っています。聖堂は青少年から大人たちでいっぱいになります。

 ミサには、絵本作家ビアトリクス・ポター作・絵の『リスのナトキンのおはなし』に出てくる、赤リスのぬいぐるみと一緒に行きます。イギリスの湖水地方に行った友人が買ってきてくれたぬいぐるみです。教会の庭にも湖のほうから来た本物の赤リスを見かけることがあります。

 さて私は、ナトキンを教会に連れて行ってからおよそ5年になります。ちょうどぬいぐるみの両手がお祈りしているような形になっているのでそこに小さな黒い(たま)と繊細な銀細工の十字架にイエス像のついた五連のロザリオをかけて一緒にミサに与ります。
 ぬいぐるみを連れて行くなんて不謹慎と思われるかもしれませんが、彼は教会で大活躍なのです。

 教会の会衆席には、聖歌集やミサのパンフレットなどを置くところがあります。そこにナトキンを置きます。

 すると一生懸命、ロザリオの祈りをしているように見えます。
 子どもが退屈してきたり、泣き始めたりすると、その子の母親や兄弟がナトキンを指さしたり、そばに来て見せたりすると子どもたちは身を乗り出して見ます。リスが一生懸命ロザリオをしているのを見て、泣きやんだりケタケタ笑ったりするのです。子どもの親がミサを中断して、教会の外や小聖堂に連れて行かなくても済みます。

 ナトキンは教会では子ども係としても大切な存在で、司祭をはじめ、会衆がミサに心おだやかに与れる大切な存在なのです。

 彼にはニックネームがあります。9日間続けて願い事をするのを教会ではノヴェナと言いますが、「ノヴェナちゃん」とも呼ばれています。