数年前のクリスマスイブの夕方、わたしは右膝の十字靭帯を切り、医師に安静を言い渡された。クリスマスは、幼な子イエスのご誕生を祝う大きな喜びの日だった。しかしその...
数年前のクリスマスイブの夕方、わたしは右膝の十字靭帯を切り、医師に安静を言い渡された。クリスマスは、幼な子イエスのご誕生を祝う大きな喜びの日だった。しかしその...
以前、ローマでバスに乗ろうとした時、長い列ができていたので、次のバスに乗ることにした。見晴らしのいい座席に座って、壮麗な街並みを見ながら目的地に行こうと思ってい...
ふる里はどこにあるかと探しても見つからない。しかし、ずっと記憶をたどっていくと、わたしにとってのふる里は、心の中にあると思うようになった。ろだったと思う。わたし...
ある日、青少年についてのセミナーがあり、参加した。その日は、ヨーロッパ修道院の父と言われた聖ベネディクトの双子の妹、聖スコラスチカの記念日だった。講堂には、多く...
聖書を青春真っただ中で読んだ時と、歳月を経て読む今とはずいぶん理解が違う。マタイの25章に、気になるみ言葉がある。主人が旅に出る時、しもべたちを呼び、それぞれの...
センチュリープラントという花がある。この花はおよそ100年に1度しか咲かない。その上、花が咲いた瞬間に根元から腐り、養分となって花に向かって流れていく。そして、...
もう10年以上も前の話である。ある宣教師のお母さんが亡くなり、追悼ミサが捧げられることになった。その時のお説教は、お父さんのロザリオにまつわる話だった。ロザリオ...
職場に近い6畳一間の白い一軒家に、住んでいたことがある。毎日、朝、昼、晩と教会の鐘の音が聞こえた。そこでは持ち物を最小限にして、簡素に暮らした。小さな家の奥の窓...
ある女子大のお掃除のおばさんだったお方の話を友人に聞いた。それから、生きていくことって辛いと思うとき、この場に私がいてもいいのかと疑問に苛まれるとき、毎朝、起き...
ふと友人が口にした言葉がある。「アリの町のマリアと呼ばれた北原怜子のような人って、いっぱいいると思うんだけど......」。しかし北原怜子は今、教会によって聖女...