以前に働いていた老人ホームで出逢った可愛いおばあちゃんを、私は時折思い出します。今はもうこの世にいませんが、いつも桃色の洋服を着て、ふわりと歩く彼女のことを、私...
以前に働いていた老人ホームで出逢った可愛いおばあちゃんを、私は時折思い出します。今はもうこの世にいませんが、いつも桃色の洋服を着て、ふわりと歩く彼女のことを、私...
人間には体温があるゆえに、ぬくもりを求めるのは本能といえるのではないでしょうか。ぬくもりといっても、男女のぬくもり・友情のぬくもり・親子のぬくもり等、いろいろな...
人生には〈もう一つの誕生〉と呼べる瞬間があり、それは人それぞれに訪れる岐路の時であります。私は人生初の北海道の旅に出ましたが、〈真の自分〉を探す旅となりました。...
人は産声をあげるとき、母親のへその緒とつながったまま、この世に生まれ出てきます。へその緒が切られた後、人生の道を歩み始め、いつかは誰もが一人でこの世を去ってゆく...
その日、花冷えの天候に少し震えた私は熱を出し、夜は早めに床に入りました。眠りかけた頃、妻の叫び声で目を覚ますと、裸のダウン症児の息子・周ちゃんに、妻は必死で人工...
幼年期や思春期の自分を思い起こすとき、自分であって自分でないような、不思議な感覚になります。振り返った背後には、長い長い自分の足跡が数珠のように連なり、現在の自...
今年から心のケアの学校で電話番をしながら、空いた時間は読書と執筆をするという、書生の時間を過ごしています。最近は「お茶の間」と名づけた部屋でお客様をお招きし、温...
外出先から家に戻る車の中で、ラジオから流れる会話が気になり、私は耳を傾けていました。「私は、自分が成功している場面をありありとイメージします。すると、心の中に喜...
この冬、息子の周は重いてんかんを治す食事療法のため、神奈川のこども病院に入院し、私と妻は交代で面会に通いました。病院の廊下には同じくダウン症をもつ書家・金澤翔子...
私達が結婚した頃、妻の母は既に他界していました。長く看病をしてきた妻は、「母をきちんと看ることができなかったのでは」という自責の念に苦しんでいました。私達が出逢...