ダウン症を持つ息子の周にてんかんの症状が出たのは、もうすぐ2歳になる頃でした。頭がカクンと脱力したり、両手がピクンと上がる発作に気づき、心配になった私と妻は、周...
ダウン症を持つ息子の周にてんかんの症状が出たのは、もうすぐ2歳になる頃でした。頭がカクンと脱力したり、両手がピクンと上がる発作に気づき、心配になった私と妻は、周...
以前働いていた老人ホームで、今も心に残っている場面があります。仕事が早く終わった私は、半身不随のおばあさんが乗る車椅子を押して芝生の庭に出ると、西の空にとても美...
私が幼稚園生だった頃の運動会で、初めて父と2人3脚をした時の感覚を、今も覚えています。身長も歩幅も大きく違う父と幼い私の足は布で固く結ばれ、ぎこちなく歩きながら...
私と妻が結婚する前、キューピットになってくれた親友の女性から、昨年、哀しい知らせが届きました。それは16年もの間、彼女の傍らにピッタリ寄り添い、息子のように苦楽...
私達は日々出逢う人々と、無数の言葉を交わしています。犬や猫にも感情はありますが、言葉で会話をするのは人間のみです。この〈言葉を交わす〉という能力は、古来より人間...
人生には幾度か、将来の方向を決定づける出逢いがあります。私が詩人を志す道を真剣に考え始めた青年の頃、カトリック哲学者の小野寺功先生と知り合い、時折喫茶店で語らう...
昨年12月8日から今年11月20日までは、教皇フランシスコ様が世界中に公布した『いつくしみの特別聖年』という期間です。教皇様が書かれた大勅書には、〈神秘であるイ...
新婚旅行で長崎に行った時、私と妻は大浦天主堂の中で祈りのひと時を過ごしました。すでに身籠っていた妻は疲れてうたた寝をしており、立ち上がった私はマリア像の前でその...
この世には時に、亡くなった人との出逢いがあると感じます。実は、その尊敬する高齢の詩人は4年前に旅立ちました。知人から送られる同人誌で、その人の詩を読むたびに、〈...
その日、かつて朗読会の司会をしていた想い出の街で人と会う約束をしていた私は、昼食を取るため、ファミリーレストランに入りました。久しぶりに訪れたその店は、経営者も...