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新たな一歩

服部 剛

今日の心の糧イメージ

今年もすでに新たな日々が始まっており、私の胸には〈充実と発見の一年にしよう〉という静かな決意が芽生えています。

私はいつも日常の風景の中に、詩作の題材を探しています。それはどこか〈素朴な発見〉と出会うことと似ています。なぜ探すのか==。心の中で日常の風景と対話するような気持ちを養ううちに、その日その時に巡り会う人から、自分の目に映るものまでが、私には縁の糸でつながっている感覚になり、世界が少し違って視えてくるからです。

〈この世界は、私に何かを囁いている〉と気づく時、唯一無二の自分という存在が今・ここに立ち、息を吸っては吐いていること自体に、私は歓びを感じます。そして、〈2度と来ない今日という日を大切に生きたい〉という思いに突き動かされるのです。

昨年は私にとって悩みの多い1年でしたが、「心のケア」の活動をしているドイツ人の神父様に会う機会がありました。そのご高齢の神父様は、その日の私の姿を見るや否や、私が着ているTシャツにプリントされた文字を指さして、「"Drive On"とは、〈前に進む大きな力〉です」と教えてくださいました。家に帰り、辞書をひいて調べてみると、その言葉の意味はいくつかありましたが、最初に目に留まったのは、〈追い立てられる〉というものでした。今ひとつピンとこなくて、妻に問うてみると、「辞書の意味というよりも、"駆り立てる・前に進む"という感覚で受け取っていいのじゃないかしら」と言い、その表現は私の胸にストンと入りました。

今年1年、私は"Drive On"の精神で駆け抜けて、目に映る場面に足を踏み入れ、毎日の発見を探し求めて、歩みます。