春は希望の時

末盛 千枝子

今日の心の糧イメージ

 いま、私の住む北国岩手も、急に春になってきました。

 雪景色がとても好きなので、冬はイヤではないのですが、やはり春はいいなと思います。雪が消えるともうその下にクロッカスや、スノードロップなどの春の花が咲き始めていて、フキノトウなどがすでに出てきているのです。本当に素晴らしいと思います。雪のある間に、雪の下ではもう準備ができて殆ど咲き始めていて、あとは雪が消えて私たちの目に触れるばかりになっているのです。なんと美しいのだろうかと思います。もちろん、人に見てもらえなくとも、咲いているのです。

 数日前から、岩手山という目の前の大きな山にそって白鳥が北に帰っていく様子が見えていたのですが、夕方買い物に行った時に、クークーという鳴き声がしたので見上げると頭の真上を白鳥の群れがカギ型になって飛んでいくのです。感動的でした。何か、気をつけていきなさいね、と言ってやりたいようでした。見送っていると飛びながら、またクークーと鳴いているのが聞こえました。なんだか涙があふれそうでした。どうしてこんなに感動的なのだろうかと考えていたのですが、あの白鳥たちのこれからの旅路を思っていたからでしょうか。本当にけなげだと思いました。

 雀も、どこに隠れていたのか、と思うように、急にのんびりとしています。鳥も花も、それぞれが春を待っていたのです。春を待っているのが、人間だけではないというのは、とても素敵なことだと思います。もちろん、雪が消えるとすぐに、お百姓さんたちはすぐに畑に出ています。まだ作業は始まってはいないようですが、きっと畑を見ながら、いろんな手順を考えているのでしょう。

 やはり、春は希望の時です。

勇気を持って歩む

小林 陽子

今日の心の糧イメージ

 「じつはこの頃もの忘れがひどくなってね。脳のMRIというのを初めて体験したんですよ。結果は問題なしでしたけれど」と、Aさんが話したのは教会のあるグループのわかちあいのときでした。

 「家の中でも、2階に上がっては、なにを取りに来たんだっけ?なんですもの。一日中探し物ばかりしているし、認知症に入っていないかと、もの忘れ外来を訪ねたのです」

 「そんなことわたし達も同じ」と皆さんがた。「勇気ありますね~よく行ったわね」と口々に感心されるのです。

 ん?どうしてもの忘れ外来に行くことが勇気ある行動なのですか?

 「だって怖いもの」「そうそう。とてもそんなことできない・・」

 でも・・怖いからこそ行くんですよね。アルツハイマーが始まっていたとしたら、早く見つけて早期に進行を遅くする薬をのんで、完全に治らないにしても、ゆっくりゆるゆると平均寿命までいけたらオンの字ではないでしょうか?

 Aさんは、「自分の脳がまだ健在でしばらくは使用に耐えるものかどうか、知りたかっただけです」と言われます。

 たとえ認知症であっても、ありのままの現実を知りたかったーーしかし、そう断定されたらショックのあまり呆然としてしまうでしょう。なかなか立ち直れないかもしれません。やっぱり怖い。

 そして怖れがあるからこそ、勇気が奮い立たせられるのでしょう。怖れと勇気はセットです。

 だからちょっとくらいおかしくなっても大丈夫。いつもともにいてくださる方が、きっとすくいあげて下さいますから。

 つくづくわたし達の身の周りに起きている出来事のなかに、あるいは、ふとした友人達との会話のなかにも、主のみことばが満ち満ちているのだなあと思わずにはいられません。


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