

神さまは罪深い人類を救うために、マリアさまに天使ガブリエルを送ります。マリアさまはおとめのまま、神さまの独り子をやどします。
マリアさまの婚約者ヨセフさまの夢のなかに天使が現れ、マリアさまをそのまま迎えるように告げ、ヨセフさまはマリアさまと結婚します。
ヨセフさまは正しい人であったがゆえ、この時もしマリアさまと離縁していたら、マリアさまとご胎内のイエスさまの命はなかったでしょう。ヨセフさまはローマ皇帝の「全住民は戸籍登録をせよ」との勅令により、ナザレからベツレヘムへと旅に出ます。身重のマリアさまをロバに乗せて...。ヨセフさまとマリアさまが幼な子イエスの誕生を待ち望む旅の始まりです。
ベツレヘムに着くと、宿屋は満員で、出産が迫ったマリアさまが赤ん坊を産む場所がありません。ようやく探した人目につかない場所は牛や馬を飼っている洞窟でした。生まれたての赤ちゃんイエスを布で包み、飼い葉桶に寝かせます。
救い主の誕生を天使によって知らされたのは、野宿していた羊飼いです。彼ら羊飼いたちが幼な子イエスを最初に拝みに来るのです。イエスさまが公生活に入られた時に「わたしは良い羊飼いです」とおっしゃることの不思議を思います。
マリアさまとヨセフさまは、おん父への信頼を胸に、人間にとって最も大切な愛のために、容易ならざる旅路を幼な子イエスと共に歩む決心をしたのだろうと思います。
当時ユダヤ王国を治めていたヘロデ大王は、救い主が誕生したことで自分の立場が危うくなる事を恐れ、二歳以下の男の子の殺害を命じます。
聖家族は追っ手を逃れ、ヘロデ大王の死までエジプト逃避の旅に出るのです。
真の愛の存在を育む旅路は貧しくも清いものであったのです。