

「もういくつ寝ると」・・・誰もが知っているお正月の歌です。この歌を歌わないでも、子供のころは本当に楽しみにお正月が来るのを待っていました。思えば、大人になるにつれ、何かを心待ちにすることも、めっきり少なくなったように感じます。今、あらためて一体何を待っていたのかと考えさせられます。
年の瀬になると、大掃除や餅つき、年賀状書き、お正月用品の買い物等で忙しく、準備することもたくさんあり、洋服等も新調してもらいました。お祝いの雰囲気と特別感というものがワクワクする一因だったのかもしれません。
元旦の朝は、新年のあいさつとともに、気持ちも新たにさせられたものです。親戚の人々が集まって一緒にごちそうを食べ、いろいろなことを分かち合う時でした。若くて元気だったころの家族の笑顔も思い出されます。そこには、人と人との自然なつながりや安心感があり、幸せな思いに包まれます。
カトリック教会では、クリスマスを待つおよそ4週間を「待降節」と呼びます。
日本語では、主語がわたしたち側になり、クリスマスを準備し、「待つ期間」とされています。しかし、語源の「アドベントゥス」は、「到来」「来臨」という意味です。キリストがわたしたちのところに来られるということです。
キリスト教徒ではない日本の多くの人々にとって、クリスマスは、お正月と同じような楽しい年間行事の一つかもしれません。子供たちにはサンタクロースやプレセントの日と結び付くでしょう。しかし、大切なことは、神の御独り子が自らわたしたちのもとに来られること、そのご降誕を心から待ち望み、神とのつながりとそのよろこびを味わうことです。幼子のように、主の到来を心待ちにする心です。