▲をクリックすると音声で聞こえます。

待ち望む

中井 俊已

今日の心の糧イメージ

 『3本の木』というタイトルで(アンジェラ・エルウェル・ハント作、ティム・ジョンク画、辻紀子訳)「いのちのことば社」発行の絵本にもなった作者不詳の寓話を少しだけご紹介します。

 昔、ある山の頂に三本の木が育っていました。
 3本の木は、各々、世界一美しい宝箱に、世界一大きな船に、世界一高い木になりたいという夢を持ち、その実現を待ち望んでいました。しかし、ある日、3本の木は木こりに切り倒され、大工の元へと運ばれます。
 宝箱になりたかった木は、家畜の飼い葉桶になり、大きな船になりたかった木は、小さな漁船になり、世界一高い木になりたかった木は、木材小屋に放置されました。もはや彼らの夢は空しく破れたかのようです。

 しかし、彼らは神様から見捨てられていたのではなかったことが、後半のストーリーで語られます。

 詳しい結末は紹介しませんが、彼らは、家畜のエサ箱であったからこそ、嵐に翻弄される小船であったからこそ、小屋の片隅でずっと待っていたからこそ、自分を生かし、神様に役立つことができたのです。その結果、自分が思い描いていた以上の夢が実現したと彼らは悟ります。

 さて、私たちもこの3本の木のようであるかもしれません。
 人生において、自分の計画通りいかず、不遇や不運を嘆きたくなる時が誰にでもありうるものです。
 しかし、神様は、どんな時でも決して私たちを見放すことはありません。

自分の思うようにいかず、自分がみじめで、苦しくても、私たちの人生は失敗でも無駄でもありません。

 神様と共にいて、神様のために働くなら、きっと私たちの人生は輝かしいものとなるでしょう。神様は、人間が思い描いた夢以上の幸せを与えてくださると私は信じています。