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待ち望む

崔 友本枝

今日の心の糧イメージ

 平和な気持ちでいる時に、突然、心をかき乱されるような出来事が降ってわいてくることがあります。

 以前の私は、相手のネガティブな態度に反応していました。そうすると問題を持ちこんだ人に巻き込まれて喧嘩になったり、深く傷ついて立ち上がれなくなったりしました。しかし、最近は爆弾が降ってくると、すぐに反応せず、しばらく沈黙を守るようにしています。その間に祈ると、いい知恵が湧くのです。

 ある人は、自分の考えに賛成してほしくて怒っています。また、別の人は虫の居所が悪かっただけということもあります。

 いずれにしても、その人のために祈って、神さまのお知恵を乞い願うのが一番いいのです。

 数年前、私は人のひどい言葉によって突然ジンマシンが出て、仕事に行くのにも困ったことがありました。私は反論をしませんでしたが、悲しく辛い気持ちでいっぱいでした。しかし、5年後に相手の方が謝罪してくださったのです。神さまがその人に、私を攻撃したことに気づかせてくださったのです。

 さて、福音書には、文字通り実践するようイエスさまが望んでおられる箇所があります。

 「敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい」(マタイ5・44)です。「右の頬を打たれたら左の頬を向けなさい」(マタイ5・39)という表現も同じです。

 この言葉は非暴力を貫いたガンジーのような英雄にはできても、自分にはできない、と考えがちです。しかし、これは「神の時を祈りながら待ち望むこと」だと思います。

 神さまが介入して、人の心を変えるとき、誰もそれを押しとどめることはできません。私たちは批判や攻撃に反応せずに神さまの翼の陰に隠れ、その人のために祈り、待てばいいのだと思いました。