

ロザリオはマリア様のお手手です。しっかり握って離さないで!」
60数年前、私が急遽洗礼を受けた時、お世話になったシスターに言われた。以来、私はロザリオの祈り一筋である。
数珠を繰りながらアベマリアの祈りと主の祈りを繰り返す単純な祈りの中に、イエス様の生涯の主な出来事が『四つの神秘』として繰り広げられる。その各出来事の中に、聖母マリア様の取次ぎによって、自分がそこにいるような生きた交わりに招かれるので、この祈りはいつも信仰の原点に立ち返ることができるのである。
90歳になった今も、私は夕方になるとロザリオの祈りをするために外に出たくなる。家で座って祈るより歩きながら祈るのが好きなのだ。
日焼け予防に長袖のブラウスに着替え、大きな帽子を被り、サングラスをすると、道で知人に出会っても多分私だと分からないだろう。「まるで指名手配のポスターみたい」と自分でも可笑しくなる。
まず無事に家に帰れるように!と祈ってから歩き始める。交通事故や転倒など危険は身近にあるからだ。悩み事で気が重い日もイエス様、マリア様が共に歩いて下さっているのを感じながら、祈りを1連唱え終えて、帰宅時にはいつも軽やかな気持ちになっているから不思議である。
昨年、教会の「レジオ・マリエ」というグループの会員になった。もう奉仕活動は何もできないが、ロザリオの祈りを通して、会員の皆様や多くの人々と祈り合い、親しく繋がれる喜びを頂いている。
十字架の死で人類の罪を