

昔、あるお寺で、大学生のための研修会に、講師として招かれたことがあります。最初に、偉い住職の方のお話がありました。その方が開口一番、仏教詩人
聖書の中にも、「信じて祈るならば、求めるものは何でも得られる」(マタイ21・21~22)というキリストの言葉があります。「思う念力岩をも通す」という諺もあります。祈りで大事なことは、信仰と感謝です。私の念じたことは必ず実現すると信じることと、神さまに感謝することです。しかし同時に私の念ずることが必ず叶うと心から信じながらも、結果には期待しないで、神さまにお任せすることです。
こういう祈り方をしてきて、私は今までがっかりしたことは一度もありませんでした。人々が祈っても聞き入れられないというのは、心から願い、祈りながら、初めからその結果にこだわっているからです。
たとえば、病気が治りますように、試験に合格しますように、また、お金持ちになれますように、仕事がうまく行きますように、友達ができますように、と祈っても、そうならなかったというのは、私自身の経験からいって、結果に執着していたからです。
祈りの結果は、完全に神さまにお任せすることです。とにかく、祈った後は、神さまが一番良い風にしてくださると信頼して、感謝することです。
主イエスの祈りも感謝の祈りでした。現世利益を祈ってはいけないとは言いませんが、その祈りが感謝の祈りで始まり、数名が心をひとつにして祈るときには、きっと良いことが起きるものなのです。