

月に一度、オンライン黙想会に参加しませんか、と誘われました。都内の修道会のシスターたちが手作りで編集してくださる動画を見ながら聖歌を歌い、祈りを唱え、みなさんから寄せられた自然豊かな風景の写真と動画に導かれる15分間の黙想です。参加者は10人前後という、こじんまりした集いです。
動画配信が終わると、希望者の間での分かち合いが始まります。短いだけに密度が濃く、せわしない日常の中で、家にいながらにして黙想ができる貴重なひと時になっています。
最初は動画を見て静かに祈るだけでした。分かち合いでもみなさんのお話を「ふうん、そうなのかあ」などと聞いているだけでした。
ところが何度か参加するうちに、毎回発言なさる方々の日常や心の機微が物語として伝わってくるようになったのです。先月落ち込んでいたあの方、今月は元気になれたかしら。シスターが大好きな、フィリピンの学校の子どもたち、今月はどんな出来事を見せてくれたのかしら。参加者のみなさんの日々を知るにつれ、私の中では次の物語が楽しみになり、仕事の苦労を毎回話される方の状態が改善されますように、などと人知れず祈ってあげていることにも気付いたのです。いつしか私も、たまには日々の発見を発言し始めたのでした。
たった数分の、オンラインだけのご縁。私は下の名前だけの参加。でも、お互いそっとつながっている。そして自然にお互いを気遣い、相手にすら知られることなく互いのことを思い、ときには祈り合っているのです。これはまた、オンラインでなければできない祈り合いでもあるのです。
ちょっと不思議な世界、そこで祈り合うとき、神様の温かい視線をしっかり感じることができるのです。