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教皇フランシスコ

中井 俊已

今日の心の糧イメージ

 教皇フランシスコの来日は、私に忘れ得ぬ思い出と決意をもたらしました。

 来日の日程は、2019年11月23日~26日、訪問地は長崎・広島・東京。3泊4日の超ハードスケジュールでした。
 幸いに私は長崎の原爆被爆地での集いとミサ、その後、東京のミサにも参加できました。

 様々な場で心に響くお話をされましたが、特に世界的に注目されたのは、二つの被爆地でされた平和を訴えるスピーチでしょう。核兵器に反対するメッセージを明確に打ち出し、世界平和を強く希求されました。

 各地での素晴らしいスピーチは無論のこと、個人的に特に感銘を受けたのは、この目で見ることができた教皇フランシスコの行動と模範です。

 以前から、教皇は私たちに「出向いていきなさい」と繰り返されていました。自分の小さな殻に閉じこもらず、愛をもって自分から出向いていき、福音の喜びをもたらしなさいということです。

 教皇自身、その言葉通り、当時82歳という高齢ながら、体の疲れを表すことなく、喜びと微笑みをもって、私たちのもとに出向いてくださったのです。「あなたに話がある」と言われ、震災や原爆の被害に苦しむ人、日本人一人ひとりの立場に寄り添ってくださいました。

 その姿を見て、どれほど多くの日本人がキリスト教に惹かれたことでしょう。どれほど多くの信者が喜びと誇りをもてたことでしょう。自分の行動や生き方を変えようと心動かされたことでしょう。

 私もまた、教皇フランシスコの姿や言葉から、喜びをもって神が望まれる道を歩んでいこうと決意を新たにすることができました。

 帰天された教皇フランシスコに心より感謝しています。