

今から十数年前、2013年に教皇ベネディクト16世が生前退位され、次の教皇が選ばれました。教皇フランシスコは史上初の南アメリカ出身、史上初のイエズス会出身、1280年ぶりのヨーロッパ以外の教皇選出ということもあり、人々の大きな期待と共に、教皇として積極的に歩んで来られたことが心に残っています。
2019年に来日され、私も東京ドームでの教皇ミサに参加する機会をいただきました。
人々からの歓声に応える姿、ミサの中で積極的に語りかける姿に感銘を受けました。その後も、精力的に歩んで来られた姿を報道等で拝見していましたが、教皇が亡くなる前の年、教会の信徒の夫にあたる方が、バチカンの復活徹夜祭で教皇の司式するミサで教皇から洗礼を受けられることになり、私も参列して、会衆席から洗礼を授けられる姿を拝見することができました。
この時は、お年や体の関係から車椅子で移動され、通常、教皇が司式する祭壇でなく、特別に設えた祭壇で司式なさいました。体が不自由な中にあっても、いただいたいのち、受けた使命を精一杯生きる姿が今も目に浮かんできます。
そして1年後、2025年の復活祭のミサが行われた際に、サンピエトロのバルコニーに車椅子で姿を現されて、人々にメッセージを発信し翌日に神の御許に召されました。
私たちが置かれている場、状況は様々ですが、私たちもフランシスコ教皇の生き方、生き様を思い起こし、自分がいただいているいのち、受けている使命を大切に生きることができればどんなに良いことでしょう。
前教皇の永遠の安息をお祈りしながら、神の元に召された教皇のご保護を願いながら、ともに歩んで参りましょう。