

教皇フランシスコが訪日されたのは、2019年11月23日。26日までの三日間でしたが、多くの足跡を残されました。
来日間もなく、教皇が所属するイエズス会設立の上智大学に訪ねてこられ、私たちイエズス会員と共に朝のミサを捧げられました。その時の説教も、教皇が常々話されている貧しい人々への愛の配慮、世界平和についてでした。ミサ後、私たちイエズス会員に「どんな苦難があっても頑張ってください」と語りかけられました。
朝食を共にした際も、近くにいた私たちとも気軽に写真を撮ってくださり、非常にフレンドリーでした。
それから、大教室に集まった有志の学生たちに、貧困や弱い立場で苦しんでいる人たちに対する配慮や、平和の大切さに関して素晴らしい講演をなさいました。女子学生たち何人かは感激で涙ぐんでいました。
教皇フランシスコは、少なからぬ持病を持っておられましたが、日々の業務や活動はたゆまず超人的になさっていました。復活祭ではお姿を見せられ、その翌日、天に召されたのです。
サンピエトロ大聖堂の前で行われた葬儀ミサには、多くの信者が広場に集まり、また全世界の要人たちも参列して荘厳に行われました。私はテレビに映し出された大勢の人々と心を共にして、教皇の永遠の安息を祈願しました。
教皇の死去は、寂しく残念なことですが、その功績は、永遠です。特に貧しい南米のアルゼンチン出身ということで、世界の貧困による諸問題に不滅の一石を投じられたことは間違いないと思います。
埋葬はサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂の地下墓地とうかがいました。かつてその大聖堂の脇祭壇で、私自身がミサを捧げたことを想い出し、涙が出たのでした。