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フランシスコ教皇の遺言書

湯川 千恵子

今日の心の糧イメージ

 教皇フランシスコが10年前に公布された「特別聖年公布の大勅書」に先日、偶然ネットで出会った。
 題の【イエス・キリスト、父のいつくしみのみ顔】に魅了され、プリントしてみた。何と全19ページ。「イエス・キリストを通して目に見えない天の御父の愛と慈しみを知ることができる」とキリストの全生涯を「いつくしみ」と「あわれみ」の心の顕れとして書かれている。

 読み進むうち、私の心は燃え上がった。3時間余り読み耽った。心に響く箇所に傍線を引くと各ページ真っ赤になった。次男に赤くなった大勅書のコピーを見せると、字も大きい縦書きの冊子にしてくれた。

 翌日、教会で親友に見せると「ぜひ読みたい」と持ち帰り、翌週「私も心が燃え上がった!」とその感動を便箋4枚に書いてきた。

 私の属する教会では、神父様以外にこの大勅書を読んでいた人はいなかった。私もこの勅書が公布された当時、生活面での悩みが重なり、自分のことばかり考えて、こんな素晴らしい大勅書が公布されていたことも知らず、祈る事すら忘れがちの日々だった。

 3部コピーした冊子は、教会内で次々と読まれ、感動の輪が広がっている。今やこの大勅書は彼の遺言書となった。【イエス・キリストは御父の慈しみのみ顔】と断言されている。

 イエスのみ言葉が響いてきた。

 「あなた方は心を騒がせてはならない。神を信じ、また私を信じなさい。」(参ヨハネ14・1)

 「愛と慈しみのある処 神はそこに共にいる」この聖歌も口をついて出てきた。

 イエス・キリストを通して、命を与えた神の存在を知り、その神に無限に愛されていることに目覚め、愛と慈しみの気持ちで赦し合い、助け合って暮らす平和な世になりますように!