

教皇フランシスコのことで、私の印象に一番残っていることは、2019年に来日されたことより、2018年にローマ郊外の教会広場でのある男の子とのやりとりです。
その後この様子は動画で世界中に流れたのでご存知の方も多いかとは思いますが、お父様を亡くされた男の子の「信者でなかった父は天国に行けますか」との質問に対する教皇さまのお答えです。
男の子は会衆の前で、教皇さまに質問の機会を得ましたが、いざマイクの前に立つと感極まって泣き始め、言葉が出ませんでした。
教皇さまは男の子を招き、「私の耳元で囁くように」とおっしゃいました。男の子は教皇さまのもとに行き、耳元で「お父さんは良い人だったけど、信者ではなかった。天国に行けますか」と質問しました。
男の子は4人兄弟で、お父様は洗礼を受けなかったが、4人の子供には洗礼を受けさせたそうです。
教皇さまは、まず皆の前で父への愛の為に泣く事が出来る勇気をお褒めになりました。その上で男の子の質問に対し、皆の前で泣く勇気がある美しい心の持ち主である男の子が「良い人だった」と言うのであれば、その父親は良い人に違いないとお答えになります。良い心を持った、こんな素敵な子供を残したお父様は天国にいるとお答えになりました。
当たり前と言えば当たり前の答えなのですが、カトリック教会の頂点におられるお立場で、カトリック信者でなくても神様は天国に迎え入れてくださると、多くの信者が集まる教会広場で迷うことなくお答えになられた教皇さまの、その慈愛に満ちたお顔が忘れられません。
形式や聖書の