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居場所

湯川 千恵子

今日の心の糧イメージ

 【広報なごや3月号】が届いた時のこと。

 『この場所でずっと生きてゆく』という大きな見出しに心惹かれ、ページを繰ってみると、団塊の世代も75歳以上となった今、高齢者たちが住み慣れた地域でずっと自分らしく暮らせるように、名古屋市が地域包括ケアシステムを紹介した特集号だった。

 90歳になった私も、様々なサポートを受けて自宅で一人住まいができている。具体的に受けている支援を書き出してみた。

 去年暮れまでは、介護保険前段階の要支援①の適用内だったので、週に一度膝のマッサージと筋トレを受けていた。が、道で転んで救急車で病院へ。口の内外を6針縫ったが、骨折も脳内異常もなく、入院も不要でそのまま帰宅できた。「上手に転びましたね」と言われたが、転倒は一瞬の出来事、神様が助けて下さった!と心から感謝した。

 現在は要支援②の適用を受けて、週に二日筋トレに励み、掃除や家事の手伝いも受けて、自宅で自由に一人暮らしを続けている。

 思えばその昔、高知県の田舎町から名古屋の短大に入り、伯父の家で世話になった時名古屋の空はどちらを見上げても山がないので落ち着かず、好きではなかった。

 そんな私が今、『この場所でずっと生きてゆきたい』と願っている。

 名古屋が私の第二の故郷になっているのだ。

 そんなことを想うにつけ、地震や山火事、異常気象の洪水などで最近も住み慣れた家を失った多くの方のお気持ちを想うと、胸が締め付けられて労りの言葉も見つからない。

 また、世界に目を向けると、戦争で市民たちが故郷を追われ、いのちを奪われている。

 一日も早く総ての人に落ち着いて暮せる居場所が出来ますように、希望の光・イエスさまに心を込めて祈る毎日である。