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日常の幸せ

シスター 山本 ふみり

今日の心の糧イメージ

 日常の幸せって何だろう。私って幸せなんだろうか? 幸せって何?今が幸せでもそれが続くのかと言われれば? とだんだん疑問符が増えてきます。

 ふと、思います。具合が悪いけど、どうしてもやらなければならないことがある時「神様。助けて。どうにかしてください。」と心からの叫びを訴えると、何とか元気になって動けたり、その勤めを何とか完了出来たり、とにかく私の力でない力でそれを成し遂げることが出来たりします。そして、このことを私自身が確認できた時が一番幸せです。

 つまり、「神様の力が私に及んだ時に、私がそれを逃さずに実感できた時」です。神様に愛されていると実感出来た時、私たちは強くなり、前に進むことが出来るように思います。

 私は小さな畑で野菜を育てていて、上等な出来栄えとは言えないのですが、食卓に上ると嬉しくなります。小さな種からよくぞここまで育ってくれた、と。虫に食べられた跡や日照りの強さに表面が縮まっていたりして、それがまたユニークで心を和ませてくれたりします。そこに神様の恵みを見て取れるからだと思います。強い雨風にも負けず、何とか育ってくれたスイカやメロンなど、デザート系の物は特に嬉しいです。形は変でも修道院の皆も無条件で喜んでくれます。神様の恵みの分かち合いだからだと思います。

 そして私は思うのです。神様のみことばの分かち合いが出来たらどんなにいいだろうか?と。毎日の福音の中にある恵みの分かち合いです。神様の恵みの多種多様性と深さ、温かさ、力などを感じ、信じて、日々の生きる糧にできると思うからです。

 日常生活のそこここに神様の愛があり、それを実感して生きる時、人は本当の幸せを感じるのだと思います。