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どんなことにも感謝

片柳 弘史 神父

今日の心の糧イメージ

 聖書の中に、「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい」(1テサロニケ15・17)という有名な言葉がある。どうしたら、いつも喜んでいられるのか。そのために必要なのは、「どんなことにも感謝」して生きることだ。どんなことにも感謝して、「神さま、このお恵みをありがとうございます」と祈りながら日々を生きるなら、わたしたちは「いつも喜んで」いることができる。この言葉は、そのことを教えてくれる。

 だが、「どんなことにも感謝」するというのが、なかなか難しい。仲のいい友だちに会えたとか、おいしいものを食べたとか、何かよいことがあった日は、それに感謝すればいいだろう。

 では、よくないことがあった日はどうすればいいのだろう。転んで怪我をしたとか、財布を落としたとか、そんな日にまで感謝するのは難しい。そんなとき、わたしは、「まあ、このくらいで済んでよかった。神さま、ありがとうございます」と祈るようにしている。「転んだはずみで頭を打ち、大けがをしてもおかしくなかったのに、打撲くらいで済んでよかった」というように考えるのだ。そうすると、よくないことがあった日でも、少し喜びが湧いてくる。

 よいことも悪いことも、何もない日はどうすればいいのだろう。そんな日は、何事もない一日に感謝すればいい。今日も元気に起きられた。食事をおいしく食べられた。怪我も病気もなく、無事に一日が終わった。そのことに感謝して、「神さま、この穏やかな一日をありがとうございます」と祈るのだ。

 結局のところ、なにかよいことがあってもなくても、生きていること自体がお恵みだ。そのことを忘れず、「どんなことにも感謝」できるよう気持ちを整えていきたい。