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小さな幸せ

森田 直樹 神父

今日の心の糧イメージ

 お話しするのが少々、恥ずかしいのですが、私にとって、日常の小さな幸せの瞬間があります。それは、歩いている時に、3333とか、7777とか、5555などのぞろ目のナンバープレートの車に出会うときです。私が子どもの頃に比べて、ぞろ目のナンバープレートを付けた車はずいぶんと増えてきました。ですから、最近は時々、そのような車に出会うことがあります。

 なぜ小さな幸せかというと、考え事をしながら歩いているとき、このぞろ目のナンバープレートに出会うと、神さまご自身が、今、ここにおられる、と私自身、考えているからです。

 単なる偶然に過ぎない、と思われるかもしれませんが、歩きながら不安を抱えていたり、どうしようかと考えあぐねていたりする時に、5555などのぞろ目のナンバープレートを付けた車に出会うと、神さまに背中を押されている気分になるからです。

 このような「小さな幸せ」は、日常生活の中で、いろいろと気づくことができると私は思います。

 話は変わりますが、出かけていて子どもたちとすれ違う時、私は、子どもたちのために祝福の祈りをつぶやきます。これまた私にとっての「小さな幸せ」です。神さまから救いの言葉を託され、祝福を受け継ぐ奉仕に召された私にとって、このような子どもたちとの出会いは、本当にお恵みだと思います。たとえ話を交わすことがなくても、挨拶をすることがなくても、そして、相手に気づかれないように子どもたちのために祝福を祈ることも大切な奉仕なのだと私は思うからです。

 このようなひとつひとつの「小さな幸せ」に気づき、それを積み重ねていくことは、日常生活において、神さまを感じる一つの大切な方法なのかもしれません。