

野菜を育てている時期に、(なか・たがやす)と書く「中耕」という作業があるのを皆さんはご存じでしょうか。
苗が葉を何枚か付けるほど成長してきた頃に行う中耕の大切さを教わったことがあります。
伸びた葉先のちょうど真下辺りまで根が伸びてきているので、その辺りの土にフォークのような道具を刺して軽く耕す作業です。
道具が無い場合には、代わりに土の表面に手のひらを置き、土を掴んでグルグルと回すように数センチ動かします。
せっかく根を伸ばしたところで、その根の先が切られるのですから、いずれの方法にしても野菜の苗にしてみれば衝撃的な出来事だと思います。
このように耕すことがどのような意味を持つのでしょうか。
実はこの中耕という作業において土の中に空気が入ると共に、伸びつつある根の先が断ち切られます。それによって、苗が「これはたいへんだ!」と新たな根をグッと伸ばし、しっかりと足を踏ん張るように根付くそうです。
風や雨、そして日照りに耐えて、豊かな実を結んで使命を全うするまで、大地にしっかり根を張るための最初の試練。そのために中耕という作業が必要であることを知った時、目が開かれるような気がしました。
何か辛いことや痛いことがあったとき、わたしはまずは避けようとしてしまいます。または対症療法ですぐに解決したくなります。でも、長い目でご覧になる神さまは、その時々のわたしの弱さやその後の使命のため、最も適切な試練を送ってくださっていると思えてきました。
イエスさまは罪びとであるわたしたちの身代わりとして、大きな苦しみのなか十字架を担って歩まれました。そのお姿を仰ぎつつ、わたしも自分に課された試練から逃げずに受け止めて歩みたいと思います。