ほぼ無条件に私が反論したくなるセリフがあります。それは、「ムリ、ムリ、ムリ、絶対無理!」です。「絶対無理って、どうして言い切ることができるの。大体、絶対という言葉は神様にしか言えないはず。」と心の中で言い、相手が受け入れてくれそうであれば口にも出します。
「絶対無理」と言っている時、「それはしたくない」と私の耳には聞こえてしまいます。
殺菌、除菌と言う言葉が大好きな潔癖症のシスターがいます。ところが、このシスターが、外国の決して清潔とは言えない地域での活動に参加してすでに一年が経ちます。彼女がこの活動をすることになって一番驚いたのは、養成期間が一緒だった彼女の仲間たちでした。彼女の選択肢に現在の活動は先ずあり得ないと思っていたのですから。当の本人は相変わらず手指の消毒には余念がないのですが、それと同じくらい熱心に現地に通ってはスタッフと作業をし、子どもたちと遊び、地域の方々に受け入れられつつあります。時々「ムリ、ムリ、ムリ、絶対無理」と言うこともありますが、いろいろな問題にぶつかってはチャレンジして解決し、可能性を広げていっています。ですから、今は彼女の「無理」は「やってみます」と言う意味なのだと解釈しています。
私たちの行く手を阻む一番大きな壁は、実は自分自身だと思います。もっと正確に言うと、自分に限界を設けてしまうことこそが壁を作ることになると思います。努力すれば何でもできるというつもりはありませんが、何もせずに「できない」と決めつけるのは勿体ないと思います。
私に与えられた才能は私が思う以上に豊かで、他の人をも豊かにするものだと思います、自分の壁を越えさえすれば。